パソコンの販売とテレホンカードの販売を行なっているが、当期に利益が薄いテレホンカードの販売を廃止したところ、納付する消費税額が前期に比べて大幅に減少した。テレホンカードの販売は非課税だから消費税はかかっていないはずなのに、テレホンカードの販売を廃止するとなぜ消費税が減少するのか。
課税売上割合が拡大したため、控除される消費税額が増加したからである。
消費税額の計算は、課税売上に対する消費税額から課税仕入れに対する消費税額を控除して行うのであるが、課税売上割合(全体の売上に占める課税売上の割合)が95%以上の場合は、課税仕入れのうち、非課税売上等に対応したものであっても全て仕入税額控除の対象になる。税額計算の簡素化のための規定であると思われる。
これに対して、課税売上割合が95%未満の場合は、課税仕入れに含まれる消費税額のうち課税売上に対応する部分を個別対応方式や一括比例配分方式によって計算し、その計算によって得られた税額のみを控除することになる。質問はこのケースである。
このケースでは、課税売上割合に連動して仕入税額控除額が計算される。
ここに課税売上割合とは、即ち
課税売上高 /(課税売上高+非課税取引の売上高)
であるから、非課税売上であるテレホンカードの販売を廃止したことによって、この算式中分母の「非課税取引の売上高」が小額になり、課税売上割合が95%以上になれば、その課税期間の課税仕入れに係る消費税額を全額仕入税額控除することができる。
上記の記述は、2009年10月15日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情等により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。
2009.10.15